001 こぎん刺しの始まり

「こぎん刺し」の始まりはいつか?
それは、つまびらかではありません。
元禄(西暦1688〜1703年)とも、天明初期(1782年ころ)とも言われています。(※1)

こぎんは小衣・小巾とも書き、丈が腰辺りまでの長さであって袖は無いか半袖であるという型の作業服のことをいいます。(※2)

農民は、補強目的の木綿糸は許されていましたが、木綿の着用は禁じられ、町人などの風俗を模倣しないよう規制されていました。
これにより、作業着を補強・保温する目的で、肩や胸に木綿糸で模様を刺したものが「こぎん刺し」と呼ばれるようになりました。

こぎん刺しの伝統的な模様は藍染の苧麻布の目を奇数ごとに拾って刺すので、三角、菱形の幾何学模様になります。(※3)
その後、作業着から街着、晴着も作られるようになりました。

脚注
※1.「奥民図彙」241頁
※2.「奥民図彙」240頁
※3.例外として、偶数で刺す「そろばん」模様があります。