005 モドコの由来|石畳

規則正しく並ぶ、
小さな四角の連なり。
こぎん刺しの基礎模様「モドコ」の中から、
今回は「石畳」を紹介します。
古くから、石畳は神社仏閣の参道などに
敷かれてきました。
この模様を考えた人が、
どこの景色を思い浮かべていたのかは、
今となってはわかりません。
けれど、
私がこの模様を見るたびに浮かぶのは、
岩木山神社の参道に続く石畳です。
少しデコボコとしていて、
力強さがありながら、
どこか静けさも感じる長い道。
まっすぐ続く石の並びは、
規則的なのに、
自然の揺らぎも持っています。
こぎん刺しの「石畳」も、
どこかそれに似ている気がします。
整っているけれど、
冷たすぎない。
繰り返しの模様の中に、
静かな呼吸のようなものがあります。
この模様を刺していると、
針を進めるたびに、
あの参道の風景が少しずつ浮かんできます。
足音の響き。
澄んだ空気。
静かな光。
遠い景色を思い浮かべながら、
ひと針ずつ模様を重ねていく。
こぎん刺しには、
そんな時間が流れているのかもしれません。